大規模災害に備えよ/質問趣意書と県知事回答

大規模災害に備えよ

「災害発生時の治安維持対策の強化・治安悪化に備えよ」

改選後、最初の議会で北井が文書質問=質問趣意書を提出。
しかし、県行政は、「大規模災害時に治安が悪化する、という認識無し」、という回答。これでは、県民の財産と女性を守ることは出来ません。

その後、「このままでは、県民の財産と安全を守ることは出来ない」と考え、担当部局の安全防災局と徹底的に議論。
再度、決算特別委員会で質疑に臨み、災害発生時の治安対策強化を提案しました。
担当課長からは、「(これまでの防犯活動の)取り組みを拡大しつつ、効果検証と研究を行いながら、大規模災害も見据えて、地域の自主防犯活動の活性化と活動の充実に取り組んで参ります。」
ようやく一歩進みました。今後とも、県民の皆様の「財産と安全」を守る取り組みを強化して参ります。
以下、平成27年6月に提出した質問趣意書および答弁書です。
あえて全文を掲載します。是非、ご覧ください。

質問趣意書

(平成27年6月29日付け・神奈川県議会・議長を通じ提出、同7月13日・県知事より回答)

「大規模災害発生時の治安の悪化から県民の財産と安全を守ることについて」

(質問趣意書・平成27年6月29日提出)

東日本大震災・発災の2週間目から15日間の自らの災害現場周辺地域での体験ですが、大規模災害発生時には治安が悪化します。
マスメディアが、その報道を控えていたため、広く知られていない傾向にありますが、平成23年の東日本大震災・発災時から1ヶ月間、災害現場およびその周辺地域では、物取りを中心とした犯罪=コンビニ・ホームセンター・飲食店等々の店舗を対象とした出店荒しや、窃盗目的の建造物侵入や窓ガラス等の破壊行為等=が多発しました。
仙台市と石巻市では、地元消防団から、「車の中で寝泊まりをすることは止めてくれ。寝込みを襲われる事案が相次ぐほど治安が悪化している。」と忠告されました。さらに石巻市では、「夜間、車で石巻市内を走ることすら止めてくれ。走っている車でさえも襲撃されてしまっている。」とも警告されました。

本年6月、わが会派の実施した宮城県警察本部への調査によると、全国各地から警察力が結集したが、人命救助活動や検死活動、そして交通誘導整理に多くの人手を要した、とのこと。当時、多くの警察力が結集したものの、治安維持のための活動そのものに、十分な人手を割けなかったのです。
警察車両が、災害現場に通ずる多くの辻々に張り付き、外部からの侵入者を寄せ付けないようにしていたが、被災範囲が広大であったため、すべてを網羅することは不可能でした。東日本大震災においての津波被災地域は、平地などのおおむね見通しの利くロケーションでしたが、それでも防ぐことが出来なかったのです。都市部での災害となれば、さらに死角は増えます。
宮城県警察本部によると、犯罪の発生件数は、発災当日からの10日間に集中するのが特徴、と伺いましたが、2週間を過ぎてもなお被災地周辺では物取りが続きました。発災から2週間を過ぎると、夕方以降は警察車両による辻々への張り付きも減り、その代役を地元消防団が行う場面もありました。しかし、消防団に様々な負担が集中してしまっている状況下で、あわせて治安維持活動を担わせてしまっては、その効果を大きく求めることは酷なことであります。

東日本大震災・発災後1ヶ月間の宮城県内の全刑法犯認知件数は、同月前年度比で13.8ポイント減少。同時に、総検挙件数および総検挙人員は、ともに約77ポイント減少。
しかし被害総額は、認知されているだけで約17億5千万円と同月前年度比で約16倍も増加。内、現金被害は、約7倍増加の2億9千万円。認知されている被害だけで、こんなにも増加したのです。
この数的矛盾は、当時の混乱状況下、被疑者等を勾留することが困難であったがために、不拘束措置を取らざるを得なかったのではないか、と察せられます。繰り返しますが、明らかに治安は悪くなるのです。
そして同時に、女性が被害者となる犯罪が発生していたであろうことも、憂慮しなければならないと考えます。

そんな中、石巻市災害ボランティアセンターが設置されていた石巻専修大学キャンパス内は、自衛隊が駐留していたこともあり、治安が良く、多くのボランティアの方々のテント村になっていました。
陸上自衛隊・東北方面総監部で、発災当時の治安状況を伺ったところ、「おおむね治安が悪くなっていたようには感じなかった。」との回答でした。このことから、自衛隊および自衛隊員の存在そのものが、犯罪行為の抑止効果になると察せられます。

大規模災害発生時、ただちに治安維持対策を起動させないと地域住民の「財産」や「安全」を守ることは出来ません。
全国各自治体から警察および消防、そして自衛隊は結集していただけます。しかし、その任務は人的被害の救済的活動が主となります。
であるのであれば、「自助・共助」の観点からの、自警的組織の起動が必要です。そして、そのことにより警察・消防・自衛隊の方々の主たる活動について、さらに集中することが出来るようにもなります。

平時、本県でも、各地域のシニア世代の皆様のご尽力で児童の登下校時に見守り活動が行われております。そして、児童の安全を確保するにあたり、大きな成果をあげていただいていると認識しております。
しかし、大規模災害発生時という有事の際の治安維持については、自衛隊員の活動地域周辺で治安が安定することで明らかな通り、屈強な肉体を持った現役世代の存在が必要です。各種スポーツや武道等の団体や企業等々との連携も有効的と考えられます。

H24年4月に策定された神奈川県地域防災計画~地震災害対策計画には「警備・救助対策」の中で、「県警察は、県災害対策本部等関係機関と連携」の上、「災害応急対策や防犯対策等を実施する」、と明示していますが、東日本大震災を検証するにあたり、警察力だけに頼っても、県民の「財産と安全」を確保することは困難であることは明らかです。
現状では、大規模災害発生時に自然災害以外の犯罪被害から県民の「財産と安全」を守ることは出来ない、と考えます。
「公助」には、限界があるのです。

「自助・共助」について、防災面においての強化は進んでいると認識しております。
しかし、治安維持の面においては、さらなる強化が必要、と考えます。

●そこで、知事に伺います。

(1)大規模災害発生時、県災害対策本部は県警察とともに被災者保護や救命活動を開始すると同時に、被災地域周辺住民および停電地域住民の財産と安全を守る治安維持のため、周辺地域住民による自警的組織を起動させる必要があると考えます。大規模災害発生時に備えた自主防犯組織の育成は重要な取り組みですが、県民の財産と安全を守る治安維持のために、もう一歩踏み込んだ自警的組織の準備を進めるべきであると考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。

(2)県民の皆様の財産と安全を守るため、さらに「自助・共助」を意識づけすることを目的に、大規模災害発生とともに治安が悪化することを、広く県民の皆様に周知すべきと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。

知事からの答弁内容 (答弁書・同7月13日回答)

(1) 県では、神奈川県地域防災計画において、大規模災害発生時における防犯対策については、被災地の無人化した住宅地、商店街等における窃盗犯罪等を防止するため、被災地及びその周辺におけるパトロールの強化、避難所等の定期的な巡回を行うこととしています。
  また、自主防犯組織等のボランティア関係組織・団体との連携を図り、被災地における各種犯罪等の未然防止等を目的として行われるボランティア活動が、円滑に行われるよう必要な支援を行うこととしています。
被災地における治安の維持については、こうした対策を行うこととしているところですので、議員ご指摘のような現在の自主防犯組織とは別の新たな組織の準備を進めることは、考えていません。

(2) 県では、神奈川県地域防災計画において、被災地で発生しがちな悪質商法等の生活経済事犯、窃盗犯、粗暴犯、暴力団による民事介入暴力等の取締りを重点的に行い、被災地の社会秩序の維持に努めることとしています。
災害に便乗した犯罪の取締りや被害防止、災害に乗じたサイバー攻撃に関する情報収集など県民に対する適切な情報提供を行ってまいります。 
                                     以上

このように、一旦は、質問の趣旨に沿わない回答を、行政は提示して来ました。要するに、机上の空論=思い込みが先行してしまうのです。
現地現場主義のリアリティ(真実性・迫真性)が存在しないのです。これでは、財産と安全、そして女性を守れません。
このように無所属・ひとり会派の北井の仕事は、県行政の気付かない問題点を洗い出すことと認識し、これからも課題抽出に専念して参ります。

「すべての県立学校に備蓄食糧の準備を!」

避難所は不足する恐れあり!避難所拡大策を!

避難所に指定されていない高等学校などの県立学校は、その多くが横浜市をはじめとする政令市に存在し、市街地に立地しています。大規模災害発生時には、県立学校が避難所に指定されていなくても、地域住民の方々が避難し、人々が殺到する可能性は高い、と考えます。
しかし、県が帰宅困難者対策として「食糧・飲料水・携帯トイレ」を整備している学校は、避難所指定外の県下98校中、わずか6校です。92校は、生徒が自ら購入した非常食を持たせているだけなのです。
そこで、すべての県立学校に備蓄食糧の準備をするよう提案しました。
当局の答弁は、「非難が長引く場合は、必要な物資の搬入を依頼する」とありましたが、そんな呑気な話しではありません。ただでさえ、市街地の避難所=地域防災拠点は人々であふれ、パンクする恐れが非常に高いと感じられます。関連部局と協議の上、早急に備蓄食糧の準備をするよう、強く要望しています。

現実的な応急給水体制を県民にうながせ!

給水所から「水を運ぶこと」は、とても難儀な作業!その準備をすべき!

公共の水道事業は、各家庭・エンドユーザーまで「水」を供給する、重要なユニバーサルサービスです。災害発生時の応急給水体制の整備促進は、いざライフラインが断たれた場合でも、各家庭まで「水」を供給出来るようにするための備えです。
北井は東日本大震災・発災の2週間後=断水が復旧した直後=から宮城県内で、70歳代の女性の一人暮らし世帯で寝泊まりしておりました。その時、その女性から「給水所から水を運ぶことが難儀であった」ことをよく聞かされました。そして東日本大震災・発災の約1ヶ月後、宮城県内で震度6強の余震を体験しました。そして、再び断水に見舞われました。その際は、北井の自家用車で水を運んだくらいでした。
「ひとり・1日3リットル」は、最低限の飲み水です。夏場は、さらに多く必要でしょう。それ以外にも水はたくさん消費します。給水所から大量の水を運ぶことは、とても困難な作業なのです。どうやって運ぶのかを含め、想定し準備しておかねばならないのです。
ましてや本県は、高層住宅の割合が高いため、停電と断水が長期化した場合、各家庭まで水を運ぶことが、どんなに大変な苦役になるのか、市町行政を通じ、県民の皆様に周知して準備をうながすべき、と訴えています。
東日本大震災における仙台市の場合、市内の約半数世帯が断水。復旧率が50%に回復するまで10日間を要しました。厚生労働省の資料にも、「津波にあわなかった地域でも、震度6強で最大断水率74%、断水期間14日間」とのデータもあります。いざという時にでも県民生活を守るため、行政は、厳しい現実を告知しななければならないのです。

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