「命つなぐゼロ達成」次段階は全国モデルに
2016年10月6日号 「命つなぐゼロ達成」次段階は全国モデルに
提案した私自身が猛省
自分自身の過去の提案について、「木を見て森を見なかった」ことを猛省すると同時に、責任を感じております。そこで、今議会で知事に対し「犬猫殺処分ゼロ達成の次段階について」の質問趣意書を提出しました。
注目集める本県の取組み
6年前、私が「ゼロを目指しましょう」と県議会・厚生常任委員会で訴えて以来、取組みをスタートさせた本県の「犬猫の殺処分ゼロ」については、犬が3年連続、猫は2年連続で達成し、この取組みは、黒岩知事の発信力もあり広く全国に知れ渡り、東京都をはじめ、各方面に連鎖反応を起こすほど注目されています。
しかし、この成果は県の努力だけでなく、県動物保護センター(以下センター)と連携して動物保護活動をしているボランティアの多大なご尽力の上に成り立っています。
私は殺処分しないことを提案したものの、その具体的なルールや指針・体制を作らないまま5年前に落選してしまったため、関係者の皆様に大きな負担を掛けてしまったのです。
それまでセンターは何十年間も、狂犬病予防法に基づき殺処分ありきの対応をしてきました。それがいきなり「ゼロ」を目指した結果、現場が混乱し、試行錯誤の連続でもあったのです。
全国の手本「神奈川ルール」
ゼロ達成のためボランティアは、センターに収容された動物を一旦引き受けた後、新たな家族へ譲渡しています。しかし、老動物、疾病・傷病動物への対応や、なかなか譲渡に至らない猟犬等への対応で苦慮しているのです。一軒で多数を飼育する方の多頭飼育の崩壊も大きな問題です。
そこでゼロ達成の次のステップとして、センター→ボランティア→新たな家族へと「命をつなぐ」対応について、ルールの明確化が必要です。センター中心の役割分担を具体化し、ボランティアや各団体との協力体制を再構築するのです。
これからは、保護動物を少なくすることと発生した場合の対応について、全国の手本となる「神奈川ルール」にしなければなりません。それには、周辺住民への迷惑も考慮し、一定数以上の多頭飼育は届出制導入と管理が効果的です。また犬については、市町村への犬の登録状況や飼育状況を把握することが課題です。
動物福祉の本質を追及
次に、「単に殺さない」ことでセンターとボランティアへの負担が増している今、「適切な処分もある」と説明できる指針も必要です。ある保護団体からは次の意見もあります。あくまでも動物福祉=アニマルウェルフェアや「5つの自由」が大前提で、『苦しみながら生き長らえさせるよりも、人の手に抱かれながらの安楽死という選択もある』と。
「命つなぐ率100%」に
また、耳障りで字面の悪い「殺処分ゼロ」というネガティブな表現を再考します。「命つなぐ率100%」等のポジティブ化を提言して参ります。以上、今後も私のライフワークの一環として取り組んで参ります。
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