仮設住宅の超高齢化、地域課題は本県の将来の縮図
仮設住宅の超高齢化、地域課題は本県の将来の縮図
8月20日・21日、今年も宮城県名取市内にある仮設住宅の夏祭りに参加。同所は、東日本大震災で被害を受けた名取市閖上の港町から避難した人たちが暮らしています。
ここでの夏祭りは6回目。6年目の避難生活を余儀なくされています。同所では、全120戸の住民のうち、復興を待てない若者世代を中心に約5割がすでに仮設住宅から退去し、残った大半は高齢者。まさに超高齢社会です。さらに転出者が増えれば、同様に超高齢化した近隣の仮設住宅と集約されるでしょう。
仮設住宅の超高齢化問題
自治会長に仮設住宅運営上の課題を伺うと
【1】自己完結困難な超高齢化コミュニティ
【2】高齢化した住民の安否確認――等でした。
【1】については、外部からの支援により、なんとかコミュニティを維持しています。
【2】に関して、高齢者にタブレットを配布。毎朝ボタン一つで起床したことを事務方に伝えます。そして連絡がない家庭を巡回する仕組みを構築しました。
神奈川県内でも多くの地域や集合住宅・団地等で高齢化が進んでおり、この仮設住宅の状況は他人事ではありません。日常生活でのコミュニティ維持については、大いに参考になります。
復旧・復興のルール策定
さらに災害時、復旧・復興のルールが未整備です。
例えば被災家屋に対する補償金の問題。復興事業による区画整理が始まると、その時に住宅(建物)が残っていた人には補償金が支払われますが、復旧を急ぎ既に建物を解体した人への支払いはないそうです。事前に行政等から説明があったはずですが、十分な理解を得ないまま進めたため混乱が生じています。本県においても、発災時を想定したルールづくりは必要です。
これらの、現場からの「生の声」を本県の将来設計に生かして参ります。
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