養育環境が誘引する依存症

養育環境が誘引する依存症

 近年、スマホ等の普及によりゲーム依存問題は深刻化しています。そんな中、本年5月にはWHO(世界保健機関)が「ゲーム障害」を国際的な疾病として正式に認定しました。そこで「インターネット・ゲーム依存症(文春新書)」の著者・精神科医の岡田尊司先生を取材しました。

 依存症はゲーム以外にも、酒や薬物・ギャンブルなど多岐に渡ります。しかし、そのような対象が近くに存在しても、依存しない人は大勢います。それはなぜか?を探るのが今回の取材です。

「愛着障害」が主因

 そもそも、なぜ何かに依存してしまうのか?本質には「自己肯定感」が大きく関わっているとのこと。では自己肯定感はどこから来るかというと、幼少期からの養育環境が大きく左右するとのこと。これは「愛着形成」とも言われ、2年前に虐待対策として取材した福井大学の友田明美教授も「不適切な養育が愛着障害を及ぼす」として同趣旨のことを訴えています。そして他にも、多くの研究者たちが集めたデータから、うかがい知ることが出来ます。また依存症だけでなく、ひきこもりや不登校、そして虐待やキレる大人などの社会問題にも影響しています。

 「愛情たっぷりな養育」と「愛着形成」がどんなに大切で重要なのかを周知すること。そして愛着障害の場合は、どう克服していくのかが今後の課題。この考え方をスタンダードにすることで、多くの社会問題解決につなげられたら本望です。

 今回取材した報告書は、県当局に提示してありますので、順次議会でも取り扱います。