文民として武力有事に備える

 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、けっして他人事ではなく、あらためて世界の現実を思い知らされました。21世紀においても、国家による一方的な無差別殺人が起きてしまう現実。やめろと言っても、やめない、という現実です。今後、もし近隣諸国でも同じことが起きた場合は、多数の難民が本県に流入する可能性もあります。

 クライシスマネジメントとは、発生した危機や有事によるダメージを最小限にするための事後対応のこと。本県の「有事への備え」について、自然災害に対する準備は概ね整っているものの、本県が武力攻撃を受ける現場になった場合の想定は、
【1】県庁内の態勢を整える
【2】県民の避難場所を指定する等〜
今のところ、ほぼそれだけです。

現実的な想定を

 これまで準備しなかったことは、とがめません。それは我が国の文化=縁起でもないことを言うな=や、政治的な判断だったことと察します。しかし現実です。

 実際、武力攻撃事態等が発生した際に、県民がパニック状態になることは不可避でしょうが、まずは県庁がパニックにならないよう、あらゆる有事を想定してクライシスマネジメントを準備すべきと、県議会・予算委員会で訴えました。担当局長は「内閣官房や自衛隊などの力を得て、クライシスマネジメント=危機は必ず発生する前提で、武力攻撃災害を軽減させる調整能力を高める」旨、答弁しました。

 あまたの危機が想定される中、文民=議会と行政が、どうやって県民を守れるのか?この質疑が、取り越し苦労になるよう祈りつつ、直ちに取り組むよう求めました。